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ジャズ、ときどきまち歩き。音楽・映画・本とまち歩きについて書いています。

LED ZEPPELIN rockin'on BOOKS vol.2

LED ZEPPELIN rockin'on BOOKS vol.2

LED ZEPPELIN rockin'on BOOKS vol.2


 レッド・ツェッペリンのアルバム「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」を発売日に買った。1979年だ。レコード店オリジナルの黄色いビニール袋に納められたその新譜を両手で抱え、家まで寄り道せずに帰った。世の中の雰囲気としては、既にパンクやニュー・ウェーブがミュージックシーンの主役で、ツェッペリンは少し古めかしくなっていた。僕もセックス・ピストルズやブロンディなどを熱心に聴いていた。しかし、二年の沈黙を破って出てきた新しいジャケットに包まれたそのまだ聴いたことがない新しい音がどんな感動を与えてくれるのかと期待し、ドキドキした。
 翌年の9月、ジョン・ボーナムが事故死するというニュースにファンはすぐその意味を理解できないでいた。12月4日、解散表明。渋谷陽一はなんと吠えていたっけ。そう、ツェッペリンといえば、渋谷陽一、ロッキング・オンだった。

 そのロッキング・オンからレッド・ツェッペリン本発行である。渋谷陽一によるジミー・ペイジのインタヴュー記事から始まり、全アルバム全曲の詳説、再結成公演レポート、年表など、286ページ全てがツェッペリンの本だ。渋谷陽一のロッキング・オンらしく、「ロック史に唯一無二の存在として君臨し続けるレッド・ツェッペリンの謎を徹底分析し、ロック史空前の遺産を解剖」しようというもの。

 NHK-FMのサウンドストリートで渋谷陽一はレッド・ツェッペリンを誰よりも熱く雄弁に終わることなく語っていた。渋谷陽一による年末のロック大賞は、毎年、レッド・ツェッペリンだったのだから。この本の内容は、その延長にあると言ってもいい。ツェッペリンファンにはたまらないものだろう。

 その中で、アルバム「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」は異様な光を放っている。「出た当初も今も、評価は散々なものだし、収録された音源のクオリティがこれまでの作品と見劣りする……口惜しいアルバム」なのだ。ぼくも、何度もこのアルバムを聴いて、次には大きな感動がやってくるに違いないと言い聞かせ、ついにそれはやってこなかった。解散二年後に、それまでの未収録音源を集めた「コーダ」というアルバムが出るが、ぼくはまだそれを聴いていない。「イン・スルー・ジ・アウト・ドア」で終わらせず、ジミー・ペイジは「コーダ」で終止符を打ったと渋谷陽一は言っているが、その終止符に行き着いていないのだ。

奇跡の再結成公演
The O2 arena, London
2007.12.10